
ドリス・ヴァン・ノッテンのショーは、ポルト・ドゥ・ヴェルサイユにある展示会場の一カ所に設けられたドーム・ドゥ・パリで開催されました。その名の通り、屋根部分はドーム型になっていて、普段はコンサートが行われているようです。客席の正面の舞台には大きな鏡が貼られていて、こんな風に会場全体が見渡せます。モデルはすり鉢状の観客席の最後部から登場し、客席と客席の間に設置されたランウェイを歩き、最終的に正面舞台へ降りて行くという演出でした。

生ドラムの演奏に合わせてモデルがウォーキング。招待状には金箔が挟み込まれていて、今季のキーカラーを示していたのだけれど、そのままゴールドのジャケットが登場したり、シンプルなカッティングのコートに金の刺繍が入っていたり、随所にその要素が見て取れました。

銀杏モチーフのブロケード(錦織)製コートと、レースを組み合わせたランジェリードレス。コートはゴールドだけれど渋さがあり、全体的に落ち着いた雰囲気。

ショー冒頭にはマニッシュなコートやジャケット類が登場し、それらはドロップショルダーにしてモダンにアレンジしてはいるものの、どことなく1920~30年代風。そして、ドレス類についてもランジェリーの要素があり、その辺りの時代の雰囲気を出していました。今日の午後にショールームへ行って実際に服を見る予定で、どのようなインスピレーション源があったのかは未だわからない状態ですが、おそらくはLes Années Folles(レザネ・フォル)がイメージの一つだったに違いありません。

そしてこちらのルックのように、90年代のグランジも髣髴とさせて、ドリスらしい折衷主義を垣間見せていました。

こちらのジャケットは、ゴールドの刺繍が施されているように見えますが、実は膨れ織りでモチーフを描いています。後程実物を見るのが楽しみ。

バイアスカットのランジェリードレスにパッチワークのジャケットをミックス。パッチワークのジャケットもグランジを想起させます。様々な要素を抽出して一つのコレクションとしてアウトプットする。それはこれまで通りの手法ではあるのだけれど、ドリス・ヴァン・ノッテンはどこかに新しさを加えてモダンウェアに仕上げることに長けているデザイナーだと思います。とにかく、最後の最後まで彼の美学を貫いていたコレクションでした~。
これからジバンシィ~
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