10月1日(土)の巻

  本当は午後に友人が来るはずだったのがドタキャンされてしまい、気落ちしながらもサン・ドゥニ通りの古物市へ。ここはパリの中の歓楽街で、でも安い服も売られていて、パリ近郊のヤング達で賑わっているので、東京でいえば歌舞伎町と竹下通りを足して2で割ったような感じ。でもかなりダサい。
e0074478_2394590.jpgそれはそうと、毎年不定期だけどこの通りで行われている古物市は、プロと住民がバランスよく店を出している。セックスショップや覗き小屋の前に店ができていて、かなり不思議な雰囲気。
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e0074478_240296.jpg 最初にフランス人夫婦のスタンドでバンビちゃんを5ユーロで買う。目はガラスで、中綿は木目。素材はモヘア。売っている夫婦の話では、50年代のものらしい。僕もそう思う。

e0074478_2404883.jpg それでこのバンビちゃん、実は2匹目。3年前、パリの東にある街シェルで買ったものと全く同じ。でも写真で比べると、色とパターンが少し違う。前々から持っていた方にはタグの切れ端の跡があって、それがトリコロールカラーなので、ブランドはフランスのジャンジャック。かなり安物チックなぬいぐるみばかりを作っていた会社だけど、このバンビちゃんは味があるな。早速手洗い。でも中のワイヤーがグニャグニャなので、中綿の木目を取り出して詰め替える予定。尻尾の部分に何か固いものが入っているのだけど、多分鳴き声が出る小さな部品だろう。でももう鳴らない。


e0074478_2411348.jpg これ何だかわかります?西太后の拷問人形じゃありません(わかる人にはわかる?)。

e0074478_2412974.jpg 実はマッチボックス。これは売っている女性(恐らく僕より若い)のおばあちゃんのものだったらしい。だから、戦後直ぐくらい?それとも戦前?マッチも入っていて、それが艶々していてきれい。3ユーロで値切らず。家に帰ってきてみたら、10ユーロの値札が付いてた。きっと売れなかったんだろうな。

e0074478_2414657.jpg ボックスの底に擦るためのヤスリが付いていて、素人さんが勝手に作ったのではなくて、多分こういった製品が売られていたんだろうな。昔の人は横着せずに偉かったと感心しちゃいました。

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# by tomoakishimizu | 2005-10-02 02:38 | パリの蚤の市 | Comments(0)

19世紀のトルソー

 パリの東に位置するモントルイユの蚤の市は、パリの蚤の市の中でも特に歴史が古く、始まったのは19世紀初頭。クリニアンクール、ヴァンヴと比べてみると、特に泥棒度が高い。誰でも出店できる雰囲気があって、浮浪者や失業者、移民など様々な人々が集まるため物騒な感じもする。特に古着が多く、また新しい生活用品も沢山売られていて、例えばうちで使っているトンカチは、僕がパリに来た当初にモントルイユで買ったもの。そんな泥棒市的な場所なので、良いものが安く手に入ることも多い。
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 この19世紀のものと思われる立体裁断用トルソーは、今年の8月28日にモントルイユの奥の方のスタンドで購入。昔は女性がコルセットをしてくびれた腰を誇るのが当たり前だったので、立体裁断をする時もコルセットを締めた状態のトルソーを使っていたわけです。で、クチュリエのポール・ポワレが、女性から身体を締め付けていたコルセットを解放したのが1910年なので、まあ19世紀というのは大体合っているはず。これは42号なんだけど、腰周りは何とたったの55センチ。昔の女性は、コルセットのせいで内臓が圧迫されて長生きできなかったって話を聞いたことがあるけど。皆さん、現代に生まれて良かったですね。   
 先に日本製の50年代のぬいぐるみ2つを発見し、それが2つで10ユーロと言われ、それからそのトルソーの存在に気付いた。ぬいぐるみとトルソー両方で20ユーロといわれて、かなり悩む。部屋はぬいぐるみとレコードで飽和状態。置き場所がない。既に友人から譲ってもらったトルソーがあるし。でもこのコルセットを締めた状態の上半身のトルソーは、そう簡単にお目に掛かれるものではない。今までに見かけたのはほんの数回だけだったし、売っていてもかなり高いことは知っていた。結局買うことに。で、お金を払ってトルソーとぬいぐるみを受け取ってちょっとビックリ。あまりにも汚かった。トホホ。家に帰ってから修繕しなきゃ。
 ということで、早速汚い麻布を縫い目通りに切って外し、それを型紙に起こした。本当に汚くて、麻布は黒カビだらけだし、内側は白カビだらけ。マスクをして作業。本体は紙を粘土状にして型にはめたもので、保存していた場所が湿気ていたのか、所々陥没して歪んでいる。そこに粘土を埋め込んで補正。腕と首のところについている木の部品は、やはり汚かったので黒ペンキを塗った。
 そして次の日に僕のフェイヴァリット・カラーのフューシャ・ピンクの布を探しに18区の布屋街へ行き、帰ってきて型通りに裁断して縫合。それを依然カビだらけのトルソーに被せて縫い合わせてお終い。かなり大変な作業。
e0074478_22393599.jpg ちょっと皺が寄っちゃったけど完成!やっぱり安い話には裏があるのね。


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# by tomoakishimizu | 2005-09-30 22:42 | パリの蚤の市 | Comments(4)

9月26日(月)の巻

 11時、フローリストの斎藤由美子さんと一緒にタクシーでクリニアンクールへ。由美子さんは恵比寿でお花の店「ブーケギャラリーHANACHIYO」を経営。最近はブーケのみならず、アーティストとのコラボでコサージュも作っています。ちょっと乱暴な表現だけれど、ゴシックやパンクをイメージさせて、シックでグラマラスな感じ。彼女のお花の作品からは想像もつかない作風で、その引き出しの多さには感心させられます。展覧会の予定も決まっていて、既にセレクトショップからも注文が来ているとか。それで今回の蚤の市行きは、その素材を調達するのが目的。
 クリニアンクールってぎりぎりパリ郊外になるけど、一応便宜上パリの蚤の市にカテゴライズしておきます。オープンしている店が少なくなるけど、月曜日もやっているところが便利。

 最初に、よく行くマダムの店へ。ここは様々な素材が豊富。でも最近はちょっとお値段が高め。いつもいるマダムは息子の面倒を見るためにおらず、巨漢の夫の方が相手をしてくれた。由美子さんはそこで結構買い込んで、1時間以上いたかも。

e0074478_0173533.jpg 僕好みのリボンを見つけ、それだけ買おうとしたら、クライアントを連れてきてくれたお礼にとくれた。Y子さん有難う。巻き直してあるのだが、多分20~30年代のものだろう。それかもっと昔かも。素材は柔らかいのでシルクだと思う。ピンクの地だが、緑のストライプの部分が筒状に織られている物凄く複雑な構造。


e0074478_0211311.jpg それからヴェルネゾン地区へ。クリニアンクールって、いくつかの地区に分かれていて、それぞれ特色があるのだけど、それについては後日。そこで人形とぬいぐるみを売っている新しいお店を発見。結構良いぬいぐるみを割と安く売っていて、JPMブランドで眼が青いクマを見つけてしまい、60ユーロを40ユーロにするというので心動かされる。また由美子さんも、僕も持っているシュタイフのラマを買いたいと言い出して、それぞれを35ユーロにしてと由美子さんが交渉。店主のオジサンは一瞬戸惑うも、結局交渉は成立。オジサンは、どちらかというと人形の方が専門だとか。男のくせにお人形集めだなんて、と同族嫌悪。由美子さんがぬいぐるみを買ったのは意外だったけど、どうもこの様子だとぬいぐるみ集めを始めてしまいそうな予感。JPMはJouets Paris Massyの略。40年代からぬいぐるみを作っていた会社で、現在は存在せず。僕は既にこのJPMのクマを6匹持っているが、いくら持っていても良い位好き。この日買ったブルーの眼のクマは、今までに見たことがなく、しかも素材が本当のモヘアで、僕にとっては超レア。人形作家のOさんも集めているので、近いうちに自慢するつもり。自慢する相手がこの世で一人しかいないのもなんだけど。
 

e0074478_024139.jpg それから色々と店を見て回って、ビーズとブレードを売っているリリーさんのお店へ。そこで由美子さんはブレードを買い込む。僕はYさんも買ったプラスチックのカメオを1個もらった。クライアントを連れてきたお礼に。またまた由美子さん有難う。


 そこからポール・ベール地区のレストランへ行こうとしたら、コスチューム・ジュエリーの店ではまってしまい、由美子さんはプードルの置物3体とネックレスを購入。それからレストランで御飯を食べる。


e0074478_0243896.jpg 本当は500グラムのステーキを頼んだのに、出てきたのは220グラムでガックリ。一応文句を言ったが、そのままで良いことに。


 そこからポール・ベールの中のバッグと服を売っているお店へ行き、色々と見せてもらってから鋳物屋へ。ここは本当に古い店で、ドアの取っ手や内装用の金属モチーフなどを売っている。でも気に入ったものがなくて、それからサラの店へ。


e0074478_0402211.jpg 行く途中小汚い猫に遭遇。人懐っこいが、汚くて触る気が起きなかった。


e0074478_0252062.jpg サラの店は沢山のクチュリエ達がネタを探しにやってくる店で、一日じゃ全部見切れない。結局由美子さんは何も買わず。


e0074478_0273620.jpg そこからもう一つの鋳物屋へ行く途中、魂が抜け切ったようなアラブ人のオジサンのスタンドで、僕が集めているロルダンの人形を発見。というか、そこにあることを知っていたのだが、前に値切って失敗していたので放ってあった。でもやっぱり買い手が付かなかったようで、まだそこにあった。というか、僕の到来を待っていた。15ユーロを10ユーロに値切って買う。今回は彫刻家ヴァージョン。髪が黄色で金子国義画伯を髣髴とさせ、共通の友人である由美子さんも「似てるかも」。


 もう一つの鋳物屋へ。そうしたら由美子さんが探していた、イーゼル型の写真スタンドを発見。10個買う。他にもお店で使えそうなアイテムが結構あって、由美子さんは満足の様子。

 それからモモの新譜レコードのスタンドへ。モモはダンス・ミュージック・ラヴァーのアラブ人で、もう10年の付き合い。彼はその日パリ市内の店へ出ていて、彼のアシスタントがいた。由美子さんもいたので、試聴せずにハズシなしのレコード3枚を購入。


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Patti Labelle feat. Carlos Sanchez When U Smile (2005年米盤)
 ガラージ・ディーヴァ、パティ・ラベルの最新作。レディー・マーマレードの人ね。このFall Out Recordsって恐らく海賊レーベル。スティング、ジャミロクァイ、アッシャー、マライア・キャリーのディープ・ハウスのリミックスをリリースしている。でもどれもハズシなし。曲は最初のイントロから涙。超哀愁。リミックスはダリル・ジェイムズとフレッド・マクファーレン。ダリル・ジェイムズは90年代からハウスのフィールドで活躍していたけど、最近のリミックスは本当に良い。今年初めにリリースされたパティ・ラベルのNew Dayのリミックスも最高でした。

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Quentin Harris & Robert Owens Always (2005年米盤)
 ディープ系のハウスで知名度を上げているプロデューサー、カンタン・ハリスと、シカゴ・ハウスのオリジネーターの一人とされるロバート・オーウェンスの共作。読んで字の如し、というような感じのディープ・ハウス。もうちょっと派手なものを期待してたんですけど。ハマリ系で、しみじみ。

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Ananda Project “Relight” EP2 (2005年米盤)
 アトランタ出身のクリス・ブランによるアナンダ・プロジェクト。Shouldn’t Have Left Me、Secrets、そしてB面にI See YouのDJスピナ・リミックスのタイロン・フランシス・エディットを収録。どの曲も本当に素晴らしいけど、やっぱりB面。オリジナルのスピナ・リミックスの最後のパートが、いきなり最初の方に出てきてしまい、あとはそのままの調子が続くエディットが新鮮。怒涛のようなキーボード・ソロで、かなりクラクラきます。

 それからリリーさんのお店の本店、リリー&ダニエルへ。ここはヴィンテージの雑貨など、ありとあらゆるものを扱っている、本当にアリババの洞窟のような店。由美子さんはここで素材になりそうなブローチなどを買い込む。そこに6時過ぎまでいて、タクシーを呼んでもらい、7時前にパリへ。この日はお供で行っただけなのに、色々と頂き物もしてしまい、収穫が多い一日でした。

 斎藤由美子さんのホームページは以下の通り。既成の枠にとらわれない、強い個性と新しさを感じさせるお花です。
ブーケギャラリーHANACHIYO

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# by tomoakishimizu | 2005-09-30 00:37 | パリの蚤の市 | Comments(7)