昨日は、阪急うめだ本店さんにて開催のフランスフェア2023の3日目。朝からビックリでした。社員さんに「暑苦しい」と言われてしまったムートンのコートが売れたのです。既にここで書いた通り、イヴ・サン・ローランの製品で、ムッシュがご存命中の作。おそらくは1980年代。裏地にはしっかりYSLのマークがジャカードで織り込まれています。袖がモコモコと茶と黒のはぎになっていて、もちろん肩には大きなパッドが入っていてかなりのボリューム感。お買い上げ頂いたマダムは背丈があり、パーソナリティがハッキリしている方だったため、コートに全然負けていなくて、思わず「お似合いです!」と口を突いて出てしまいました。確かにカットは80年代なのだけれど、今のサン・ローランは80年代のパッドの更に上を行くビッグサイズで、それと比べたら何てことはないですし、ムッシュが描いた世界には時代を超越した美しさがあり、今着用しても全くおかしくなかったのでした。仕入れた時は、「結構苦労するかもなぁ」なんて思ったのですが、割とすんなりと売れたのでビックリ。そんな顧客様を抱える阪急さんは本当に凄いですし、フランスフェアマジックが戻ってきた感じがします。お陰様で、売り場では楽しい時間を過ごさせて頂いています~(激ハードですが)。
さて、本日はこちら。ブルターニュ地方出身のお手伝いさん、ベカシーヌの幼少期を描いたバンデシネ(フランスの漫画)の本、2点です。一枚目の写真、向かって左が1913年刊で、右が1947年刊。それぞれ別の古物市で見つけました。こちらは初刊本。ベカシーヌは『ラ・スメーヌ・ドゥ・シュゼット』という週刊誌に1905年に連載され、その8年後の1913年に初めての本『ベカシーヌの幼少期』が発売されました。
元々アンリ・ゴーチエ社が出版。アンリ・ゴーチエ社は、当初サン・ミッシェルとポン・ヌフの間の川沿いの通り、ケイ・デ・グラン・ゾーギュスタンにありました。
それがゴーチエの甥が引き継ぎ、ゴーチエ・ラングロー社となり、再版されたのが1947年版。こちらの方は、表紙の状態は悪いです。発行年の表記が違うだけで、内容に相違はありません。
実はベカシーヌをしっかりと読んだことがなく、どんな内容なのか知りません。ハチャメチャドタバタ劇であることはわかっているのですが。
アニメ映画や実写映画も作られていて、1970年代終わりにはシャンタル・ゴヤがベカシーヌをテーマにした歌を歌い、物凄く流行したよう。僕のブースの目の前にいる刺繍作家のマリアンヌは、僕のブースに飾ってあるベカシーヌの刺繍絵を見る度に鼻歌を唄っています。とにかく、フランスでいうサザエさんのような国民的キャラクターなのです。で、実は初刊本は販売済み。47年刊のみ販売中です。ガラスケースの中に入っていますので、一声かけて頂ければお見せします~。
フランスフェア2023阪急うめだ本店 9階祝祭広場2023年3月20日(月)まで〒530-8350 大阪府大阪市北区角田町8−7
電話:06-6361-1381
10時~20時営業(最終日のみ~18時)
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