パリのアパートの窓の外には、鳥が留まれるスペースがあります。ここ何年か前から僕は日本にいる方が長く、それを熟知しているのか、鳥たちはそこを休憩所代わりにしているのです。もちろん、落とし物だらけで汚い。最近のパリは全然雨が降らないので、中々キレイになりません。それで、昨日の朝、起きてから窓を開けようとしたところ、カラスがその休憩所でハムをついばんでいました。僕の姿を見てビックリし、目の前のカフェのひさしに逃げたのですが、ハムは置きっ放し。というか、どこでハムを見つけてきたのか、僕の方がビックリでしたが。一瞬、ハムを手でつまんで捨てようかと思ったのだけれど、まぁ、放っておけばまた取りに来るだろうと思い、10分後に見てみると、跡形も無くなっていました。都会の中で自然との接点を感じられるエピソードでした。
本日はジバンシィのショーのご紹介です。デザイナーのマシュー・ウィリアムズは、ジバンシィにやってきた当初はストリート一辺倒のアイテムでコレクションを構成していて、他人事ながらこの先どうなるのかと心配になりました。でも、前シーズン辺りからブランド創始者ユベール・ドゥ・ジバンシィ氏が残した資料を紐解き始めたようで、ウィリアムズが解釈するストリートとクチュールの融合、というアイデアをコレクションの核にし始めた気がします。
強烈なグリーンのニットジャカード製ドレス。実物は艶やかな光沢があり、これを着てパーティへ行ったら会場ではかなり目立つことでしょう。
鎖帷子製のドレス。ジバンシィの旧コレクションから引用したというモチーフをプリントしています。実際にこのドレスが掛かったハンガーを持ち上げてみましたが、相当な重さでした。片手で持ち上げられる女性は少ないと思います。というくらいの重量。
バイアスカットのロングドレス。このお魚プリントもユベール・ドゥ・ジバンシィの残した資料にあったものだそうです。唐突だけど面白い。
全面に造花を縫い付けたミニブラックドレス。ユベール・ドゥ・ジバンシィのスタイルを彷彿とさせます。
最後から2番目のルック。袖とバッグはビーズ刺繍で繋がっています。バッグの中のものはどうやって取り出すのかわかりませんが、とにかくこちらはショーのためだけに作られたルックと思われます。もしくは、袖とバッグはセパレートになるはず。今季は、このままの流れで行くとジバンシィのオートクチュールが復活するかもしれない、と思わせる内容でした。このコレクションでは、ショー冒頭に登場したジャケット類はクチュールのアトリエで制作されたものだったそうで、高い技術力をフルに生かしたクチュールラインの登場に期待したいです~。
夕方にマルティーヌ・シットボンの復活コレクションを見てきます~人気ブログランキングに投票!