
昨日はとてもショックなことが起き、寝るまでの間ずっとモヤモヤしていました。それはパリ市内の古物市でのこと。フランス人夫婦のスタンドで、とある珍品を発見しました。19世紀にリモージュで作られていた七宝製のケースで、もう作られていないですし、作れる職人がいないので非常に貴重です。ブルーの地に白いハトが飛んでいて、スミレの花で縁取られています。僕にとっては夢のような絵柄。でも物凄く高価で悩むこと30分。最終的に下した判断は、「たとえ値段を高く付けて売れなくても、持っていて嬉しいものだから買ってしまえ!」でした。ATMでキャッシングをしてスタンドへ。でももう少し値段交渉をしたかったので、どうにかならないか頼んでみると、マダムが「そうねぇ、どうしようかしら~」とか何とか言いながら、そのケースを開けた瞬間に留め金と本体が外れました。「接着剤で接着すれば大丈夫か」と思いましたが、それをマダムから受け取ったムッシュが外れた本体を無理矢理留め金にはめ込みました。その時に「バリッ」という音が。受け取って見てみると、予想通り七宝がバキバキになっていたのです。後世に残すべき工芸品が、デリカシーの無い人々によって失われた瞬間でした。もちろん購入せず。実は買う前から心の中で、「あんな高価なものは買う身分ではない」なんて思っていて、どういうわけか、「縁が無くて手に入らないのではないか」とも思っていたのでした。結局的中。要するにそういうことだったのでしょう。本当に残念! きっと将来、失われたものを再生する技術が出来て、人々の目に触れる機会が生まれるのではないか、と帰り道にずっと妄想し、悲しい気分を紛らわせたのでした~。

さて、本日はこちら。パリ市内の古物市で見つけた、磁器製の小さな花かごです。ご覧の通りの手のひらサイズ。

細くした粘土を用いた細工は驚異的。こんな芸当が出来るのは、おそらくはザクセン地方の職人だけでしょう。

残念ながら刻印が無いので、出所も制作年代も特定できません。でも十中八九、19世紀以前のドイツ。

どこをとっても繊細なので、このような破損が何箇所か見られますが、ジッと見ていると、そんなことを忘れてしまう程の出来栄えです。来月、阪急うめだ本店まで、実物を見にいらしてください~。
ウゥ~。明日からパリコレです~人気ブログランキングへ
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