トム・ブラウンはボ・ザール(国立高等美術学校)のホールでショーを開催しました。ランウェイには3つのショーケースが飾られていて、それぞれに金色に塗られた赤ん坊用の靴、男性用の靴、そしてヒールの付いた靴が並べられています。そして登場したモデル達は、スカートやドレス、ヒール付のシューズなど、レディースライクなアイテムをまとっていました。
BGMは、僕が大好きな1992年のサリー・ポッター監督の映画『オルランド』のサウンドトラック。ヴァージニア・ウルフの小説が原作で、以前フランス語の本を買って読もうとしたけれど、冒頭に植物の名前が怒涛のように出てきて諦めてしまいました。それはさておき、『オルランド』は輪廻転生しながら男性と女性に生まれ変わっていくオルランドという人物を描いたもので、スカートを穿いたモデル達とイメージがリンクします。
ショーを見ている間は、何だかダイレクト過ぎて微妙~、なんて思っていました。スカートを合わせるというアイデアは、ジャン・ポール・ゴルチエを始めとして、様々なデザイナーがやってきたことで、僕にとっては新鮮味が薄いものだったからです。
そして何となく無理矢理な感じもしなくも無く、違和感が残ったのでした。それはトム・ブラウンのショーでいつも感じられることはあるのですが。
こちらが最終ルック。前面がタキシードで、背面がウェディングドレスというアイテム。ゴルチエは右半分がタキシードで左半分がウェディングドレスというアイテムを作っていたと思いますが、まぁ、似たり寄ったりです。でも、最後の最後に「やりたかったことはこれか」と納得したのでした。LGBTの権利を主張するパレード、ゲイプライドが開催された次の日のショーで、何だか胸が熱くなってしまったのでした~。
明日でクチュールは終了~人気ブログランキングへ