パリ市内の古物市で見つけたティーポット。今までにピューター製のティーポットは随分と仕入れてきましたが、こちらについては制作年代が一際古いです。こうやって見ると、結構ヨレヨレだけれど、これも味わいとして見て頂ければ幸いですね。
フタの取っ手はおそらく象牙。底に刻印が無いので何ともいえませんが、象牙を使っているところを見るとイギリス製ではないかと思います。売り主曰く、19世紀のものとのこと。ヴィクトリア女王時代でしょうか。もしかしたら、その前のジョージ4世やウィリアム4世時代という可能性もありますが。トリモチーフについてはエッジが強いので、型で取っているのではなく1目ずつ打ち出しているかもしれません。
実は注ぎ口の接合部分に穴が開いていて、その部分を鉛が含まれていないピューターのはんだで継ぎました。その作業が大変で、費やすこと半日。はんだを乗せてヤスリで磨いて、水を入れるとポタポタと流れ出す。気を取り直して、再びはんだを乗せてヤスリで磨いて、の作業を何度も続けました。ピューターのはんだって物凄く難しくて、今回ほど修繕作業で苦戦したことはなかったかも。はんだごての銅製の先端は、作業をしている間にはんだと一緒に溶け出し、おかしな形になって作業の障害になるし、こての出力が強いのでポット本体も溶かしてしまい、作業をしている間に穴が広がってしまうのです。不慣れというのが一番の問題。今後はもっと経験を積んで、精度を上げていかなくては、と思っています~。
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