本日はクリスチャン・ディオールの最新コレクションをご紹介します。今回のパリコレも濃密な毎日だったので、会期の最初の方に行われたディオールのショーは、もう何年も前のことのように感じられます。不思議。会場はルーヴル美術館の東側の棟の中庭で、隣接している教会側にはこんな大きな箱型のテントが設置されていました。実は手前にもう1つ同じ大きさのテントがあって、2つのテントは資材置き場、バックステージとして使われていたようです。とにかく規模が大き過ぎ。会場設営だけでいくらかかってるんだろう、なんて考えるのは野暮ですかね。
中庭に入ると前面にミラーをはめ込んだテントが目の前に現れ、ルーブル宮をそのまま写しているのでシュールな感じ。
コレクションは、7月に行われたクチュールコレクションの流れを汲んだものでした。今までのクリスチャン・ディオールのデザイナーたちは、ムッシュ・ディオール自身が持っていたスタイルを踏襲しようと努めてきましたが、今回ラフ・シモンズはムッシュ・ディオールのスタイルを取り入れることをせず、ムッシュ・ディオールの作風に影響を与えたものが何なのかを追究したのだそう。その結果出てきたのが18世紀の服飾だったのだとか。そうして18世紀の貴族の女性が着用していたパニエ入りのドレス、そして貴族の男性が着用していたジャケットがインスピレーション源となりました。こちらはタンクトップとスカートとパニエのセットアップ。タンクトップとスカートはボタンで脱着できるようになっていて、ブティックではパニエを含めてのセット販売となるそう。
こちらは、18世紀の貴族の男性がジャケットの下に着ていた下着から着想を得たワンピース。
今回、ラバー入りのコードを編み上げたブーツが多くのルックに合わせられていました。ラバー入りのコードというのは、要するに紙を結ぶ時に使うゴムひもと同じものです。
蜂の巣のように立体的に織られたジャカード地によるジャケットドレス。構築的なシルエットですが、よりソフトな印象。
リボンをノットにしながらオーガンザに手縫いしたというドレス。300時間かかっているのだそう。ここまで行くとプレタ・ポルテではないですね。
18世紀の貴族の男性が着用していたジャケットの現代型。このタイプのジャケットは、フランスではJustaucorpsと呼ぶそうで、3つの言葉、Just au corps(身体に密着した服)をそのまま繋げた言葉のようです。現代では意味が変り、運動用のレオタードをさすそう。
というわけで、随分とドラスティックに変革を遂げているクリスチャン・ディオールですが、頭の硬い僕は、まだまだ置いてけぼりを喰っている感じがします。まぁ、直に慣れるでしょう。って2年くらい言い続けてたりして・・・。
明日はマルジェラ~人気ブログランキングへ