パリは今、朝の11時ですが気温は0度です。寒い寒い。そんな日の今日は、ちょっとだけホット(?)な気持ちにさせてくれるジャズメンくんを紹介します。
彼はどこで買ったのか記憶が薄いのですが、恐らくパリの南に位置する郊外で数年前に買いました。通貨がフランの時代で、10フラン(約180円)くらいだったような気がします。中綿が木目で、素材はコットンとフェルト。年代ははっきりしませんが、恐らく戦前、多分30年代くらいだと思います。ダンス・ミュージックとしてのチャールストン及びジャズがヨーロッパに入ってきて、黒人のミュージシャン達がステージを賑わせていた時代から少し後に作られたはずだと思うので。赤のフェルトのベスト、赤と黄色のシャツに白の蝶ネクタイ、そして赤と白のストライプのパンツを穿いたオシャレさんです。楽器を持たせたら、水を得た魚のように音楽を奏でそうな雰囲気。
この黒人の人形、現在ジャンル的には「ゴーリー」と呼ばれていて、黒人を模った人形は一緒くたにゴーリーと呼ばれる傾向があり、様々なタイプが存在します。日本で大流行したダッコちゃん人形も、ゴーリーの一種と言えるようです。元々は19世紀末、イギリスのアプトン作の絵本のキャラクターから名付けられたとか。イギリスのみならず世界中にコレクターがいて、良くチェックしているぬいぐるみ&ゴーリー専門サイトでも、直ぐにソールドアウトになってしまいます。値段が高いのにもかかわらず。
頭には、恐らくアストラカンか何かの毛皮が付いていたようですが、擦り切れて革しか残っていませんでした。折角のお洒落なジャズメンも、ハゲチョビンだと格好が付かないと思い、プードルの引き車を直した時に使った黒いフェイクファーがあったので、それを付けてあげました。
日本では絵本「チビ黒サンボ」が差別的という理由で発売禁止になったりしましたが、ゴーリーという呼び名も黒人の蔑称を意味していて(アメリカではこの言葉を使わない方が良いみたいです)、そんな理由からか昔のようには作られなくなりました。今ではコレクターの間だけでもてはやされるアイテムになっているようです。
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