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ゴルチエ・パリ オート・クチュール 2011春夏

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 ゴルチエのオート・クチュールは、いつも通り本社のパーティーホールで行われました。で、いきなりなんですが、アリエル・ドンバルさん。オバサン、喫煙禁止なんですけど。超人工的なアヒル口が怖い!この人、「とってもインテリジェント」と評価する人と、「頭おかしい」と罵る人と真っ二つなんですが、個人的に知っているわけではないので、どっちなのか全然わかりません。僕の意見としては、多分その両方なんだと思います(笑)。

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 コレクションは、ロンドンパンクと、キャバレー文化華やかかりし古きよき時代のパリにイメージを求めていました。音楽はなくて、カトリーヌ・ドヌーヴによる服のタイトルと説明のアナウンスが流れる、という演出。こちら、ご本人とペドロ・アルモドヴァルの後ろ姿。

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 誰か一人が拍手すると、周りがつられて拍手するので、「サクラ?内輪受け?」と疑いたくなるくらい拍手の回数が異常に多いショーでした。でもこれって、音楽がなかったので起こり得た現象だったに違いありません。音楽ガンガンだと、一人が拍手しただけでは、周りに聞こえませんからね。

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 いつものマリンボーダーネタ。テープ状にした布を段々に縫い付けてあります。

 で、急に話は変わりますが、今巷で話題のジョン・ガリアーノさん。24日の夜、マレ地区にある業界人のたまり場(ヤクの売人のたまり場という噂もアリ)になっているラ・ペルルというカフェで、酔っ払ったジョン様は、フランス人女性とアジア系フランス人男性のカップルに向かって「汚いユダヤ人、混血アジア人」と暴言を吐き(もっと色々言っていたようです)、女性の髪を引っ張ったかどで、警察に一日拘束されてしまいました。病院に移されて聴診を受け、帰宅したとか。血液検査はされていないようです。それは不幸中の幸い。

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 ジョン様の弁護士は「そんなことは言っていない」と声明を出したようですが、Voiciという雑誌のサイトでは、事の顛末が微に入り細に入り書かれていて(フランスでは珍しく、被害者カップルのフルネームも記載)、言い逃れできない状況になっています。とにかくラ・ペルルは、例外なく毎晩混み合っているカフェなので、目撃者は多数だったはず。

 この業界、ファッション誌、ジャーナリスト、デザイナー、どこを見回してもユダヤ人が多いので、大きな波紋を呼ぶことは確か。現在ジョン様はディオールの全ての役職から外されているそうで、来月のコレクション開催も危ぶまれているという話です。

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 ジョン様って、大なり小なりユダヤ人のサポートを受けてここまでやってきたはずだし、ジョン・ガリアーノ社だけを見ても、アジア人は沢山いるんですけどね。

 でも実は、そのカップルがジョン様を乞食のように扱ったのが事の発端だったとする報道もあります。ジョン様は当日海賊のような衣装だったとかで、クチュリエだったら、もうちょっとちゃんとした格好してください!

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 ボディガードはいたようですが、ボーイフレンドはオスカーのためにLAに出張中で、パーソナルアシスタントはバカンス中。ずっと1人にしておいた周りもいけないという批判もあります。それにしてもお酒って怖いですね~(ギクッ)。

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 話を戻してゴルチエ先生。マリエは、花びら状に畳んだチュールを縫い付けたボーダーのドレス。着ているモデルはアンドレイ・ペジックくん。その前の週に行われたメンズコレクションでは、レディースモデルのような出で立ちで登場したメンズモデルです。ちなみにこのドレス、グラミー賞ではリアーナが着用しました。

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 終わりかな?と思ったら、突然フレンチカンカンの音楽が鳴り響き、ダンサーのプシッコ・ティッコさんがも~の凄い超絶ダンスを披露。

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 こんなに足が開いたら、長らく健康でいられるんだろうなぁ、なんて良くわからないことを思ってしまった僕は、身体硬いんです。ドレスの内側には、ダンサーの足が無数にプリントされています。ゴルチエ流ユーモア?

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 最後にモデル&女優のファリーダ・ケルファと共にモヒカン姿で登場のゴルチエ先生。う~ん、やっぱりこの人って、イメージソースになったものをそのまま使いすぎていて、垢抜けない~。ま、ショーは楽しかったからいいかぁ。

明日でクチュールシリーズはお終いだけど・・・

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by tomoakishimizu | 2011-02-26 21:53 | パリコレ | Comments(8)
Commented by こたま at 2011-02-27 19:31 x
いつも楽しく拝見しております。わたくしゴルチェの会場でカーラブルーニ財団奨学生です、といって話しかけさせて頂いた シャンブルサンディカルの学生です。  私は初めてのオートクチュールショーだったので オートクチュールは音楽ないのかー。と思ってみてましたが やっぱりちょっと変わった演出のショーだったのですね。(笑)そしてあんな1度見ただけで私はこんなに描写できないー。と実感致しました。ジャーナリストさんて本当にすごいです。これからも楽しみに読ませてもらいます。お体に気をつけてお仕事がんばってください!!!!
Commented by tomoakishimizu at 2011-02-28 01:40
こたまさん、ご無沙汰してます~。いつも応援有難うございます~。
描写うんぬんの話ですが、単純にファッション通信の原稿を既に書き終えていて、それが頭の中に残っているので量は書けるんです。でも大したこと書いてないですよ(苦笑)。
このブログ、最近は写真の数も多いし、文章も長いので、ちょっと面倒くさくなっているのも事実。明後日からはまたパリコレなので、ぬいぐるみを紹介できなくてちょっと寂しいです~。
とにかく頑張ります。
Commented by Nanna at 2011-03-01 23:31 x
ガリアーノ逮捕と停職、びっくりしました。さらに追い打ちをかけられているみたいで、なんだか復帰が難しい気がしてきました。。

この事件が起きる以前から、このところの体重の増減や異常なまでのコレクション数を考えれば、肉体的・精神的にも破綻寸前だったことは推測できたことだと思うのですが・・・果たして個人の責任の問題として糾弾できるのでしょうか。うーん。ちょうど1年前、A.マックイーンが亡くなっているだけに、とても悲しいですね。

それにしても、Anti-semitism issue が欧米社会では爆弾であることを改めて思い知らされましたー。
Commented by tomoakishimizu at 2011-03-02 08:16
Nannaさん、今日、ガリアーノの解雇が発表されたようです。ちゃんと裏を取っていないのでハッキリしないのですが。
それで思ったのですが、やっぱりクチュリエとして幸せな人生を送った人っていないみたいなんですよ。ファッション業界がどうかしてるのかもしれないけれど。クリスチャン・ディオールだって孤独のうちに亡くなったし。マックイーンだってそうですね。サン・ローランだって、言ってみれば孤独だったと思います。ピエール・ベルジェが近くにいたとしても。ま、人間死ぬときはみんな孤独なんですが、この業界はちょっと違うような気がします。ガリアーノも孤独な人にならないように、周りがケアしてあげて欲しいです。人事ながら。
ユダヤ人を敵にしては、ファッションの中では生きていけませんからねぇ。
Commented by Nanna at 2011-03-02 17:55 x
偉大なクチュリエには突出した創作力と一種の狂気が共存しているために、悲劇的な結末を迎えてしまいのかもしれないですね。
しかしながら、彼の行為自体は非難されて叱るべきですが…

悲しいのは、今回人種差別主義者のレッテルを貼られてしまったことで、彼のディオールでの功績も葬り去られてしまいそうなことです。
いつかその日々が再び日の光にあたる時がくればいいなと思います。

しょっぱなからこんなニュースもあり…友さん大変ですね(泣)取材頑張ってください!
Commented by tomoakishimizu at 2011-03-02 20:47
Nannaさん、ガリアーノについては、やっぱり周りの扱い方を間違えたかもしれませんね。そもそもストリートから出てきた人なので、クチュールの世界は大き過ぎたと思います。やはり彼は小さなメゾンでコツコツとやっていく方が性に合っていたかも。
今後彼がどうやって復活するのかを見守りたいですし、その時を楽しみにしています。かなり大変でしょうが。
Commented by NAO at 2011-03-03 09:39 x
友さん、質問の件ありがとうございます。よろしくお願いします。
ガリアーノの逮捕解雇をyahooニュースで見て驚きました。
友さんがこのことで何かコメントされてないかなと思ったのですが
上のコメント、たいへん興味深く読ませていただきました。
パリコレ取材、頑張ってください。ファッション通信ファッショニスタ、
いつも楽しみにしています。
Commented by tomoakishimizu at 2011-03-03 23:43
NAOさん、ガリアーノの件については、今日の記事でも少し書いています。まだはっきりしてないことだらけなんですが、ガリアーノのショーはキャンセルになりそうです~。
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