「申し訳ございません。今回はスタンディングの招待状しかお出しできないのですが」というメールが来たのがパリコレ1週間くらい前だったでしょうか。それからしばらくして、今度は東京から電話が来ました。
「申し訳ございません。今回は消防法の関係で入場者数が少なくなり、招待状をお出しすることができなくなりました」
ええっ?ウソでしょって思いながら、ここで引けない僕は「パリコレではいつも消防法を理由に人数を制限してますけれど、そういっておきながら招待状を持ってない友達とか友達の友達、家族などを会場に入れてしまう現地のプレスは沢山いるわけです。そちらにはご迷惑をおかけしませんので、こちらで何とかしてみます」と言うと、向こうも「でも消防法がありまして・・・」と遠慮がちに言い返してきます。聞こえなかった振りをして、「首尾良く入れましたら、遠くから会釈しますので、どうぞよろしくお願いいたします」と言って電話を切りました。
さて当日です。どうやって入ろうか策を巡らしましたが、ショーの直前にシャンパンを数杯飲んでいた僕は、段々どうでも良くなってきたというか、気が緩んだというか、何というか、リラックスしてました。変な風に緊張していなくて丁度よかったのです。
会場前にしばらくいると、日本人の有名ジャーナリストさんがやってくるのが見えました。彼女に近づき「すみません。僕の存在はないものとして、普通に入場してください」とリクエスト。その時丁度、現地のプレスが招待状を持っていない人をドサっと入れている最中でした。思わず僕は、そのジャーナリストさんのコートの裾を掴みながら、まんまと一緒に入場してしまったのでした。
会場に入ると、柱の陰に友人の編集者が身体を縮めて座っています。彼女に声をかけ、空いている場所を見つけて一緒に着席。それ以前に空席が目立っていました。人数制限しすぎです。
コレクションはニナ・リッチらしいスイート&ラブリーな路線を依然として踏襲。新しいものはなかったですが、やっぱり可愛かったです。ただ子供っぽいのではなく、大人の女性のための可愛さがこのメゾンにはある感じ。
デザイナーのピーター・コッピング。隣の友人が「あの人がデザインしたと思えない服だったよねぇ」なんて割りと失礼なことを言います。ま、確かにイメージが違いますが「きっと心は乙女なんだよ~」なんて言ってみる僕。お花だらけのドレスを、こっそり自分の身体に合わせ、鏡を見ながら「Pretty!」ってつぶやく姿を想像したのでした~。
ピンク着てるし~
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