ヴィクター&ロルフは、国立歴史自然博物館でショーを開催しました。名物となっている動物の剥製の間に座ってショーを見るのかと思ったら、密閉された長方形の箱の中に通され、剥製・標本の類なんて1ミリも見えません。わざわざ会場をそこにした理由がわからず、でした。
それはさておき、ご覧の通り、各モデルにはフェルトでくるまれた仮面が合わせられていました。タイトルは『Action Dolls』。ショーが始まった時は、さすがにどよめきが起きました。日本製の生地を使用したボンバースジャケットのバリエーションと、パッチワークのインナー、あるいはジーンズが合わせられ、ドクターマーチンンやスリッパをコーディネイトしています。人形感を出すために、モデルたちは肌を出さず、フェルト製の手袋をはめ、フェルト製のスパッツを穿いています。暑そう~。
ボンバースには大きなリボンを飾ったり、襟を大きくして立たせたり、段々にしたり、パッチワークをはめ込んだりと様々。でも仮面にばかり目が行ってしまって、服に集中できません。そもそも雇われたモデルたちはこのショーでは顔を売ることはかなわず可愛そう、なんて思っていたら・・・。
20体のウォーキングが終了すると、モデルたちは仮面と手袋とスパッツを脱いで、再度、超駆け足でウォーキングしてくれたのです。乱れたヘアもなおしていません。これで見る側も歩く側もスッキリ。
男性モデルが2名含まれていたのも、ちょっとしたサプライズ。パッチワークには色々な意味合いが込められていたそうで、前2シーズンの古い生地を再利用するアイデアの流れを汲んでいて、エココンシャスにしているのと、団結や多様性の象徴としているのだそうです。性別も人種も階級も関係がないというメッセージ。アメリカ軍のジャンパーであるボンバースをメインアイテムにしているところが非常にアイロニカルで、「さすがはヴィクター&ロルフ!」と感嘆の声を上げたのでした~。
クチュール感は少なめでしたが~人気ブログランキングへ