ディオール・オムのショーは、いつも通りパリの辺境、サン・クルーにあるテニスコートで開催されました。何だかなぁ、もうそろそろ場所を変えても良いかもしれませんね。とにかく中心まで戻るのにとても苦労するのですよ。独りショールーム巡りをしなくちゃいけない身としては、中々辛いものがあります。
コレクションタイトルは『Fun Fair』。つまり遊園地。ランウェイにはマルチカラーの電飾のついたジェットコースターの線路のような鉄枠が設置されていました。実のところは、マンチェスターにあった80年代の伝説的クラブ、『ハシエンダ』に集まっていたニュー・ウェーヴやパンクに傾倒している若者からインスパイアされているそう。クラブと遊園地のイメージを重ねているようです。音楽もハシエンダにゆかりの深いニュー・オーダーをサンプリングしたものが延々と流れていました。
でもパンクといっても、ベルギー人のクリス・ヴァン・アッシュがデザインすると、ちょっとフェティッシュな感じになったりします。ハーネスのようなベルトが付いたジャケットとか、リベット(はとめ)を全面に打ったスーツとか。とにかく手が込んでいて、クチュールメゾンならでは。こちらはノースリーブジャケットとパンツのセットアップですが、全面にリベットを打ち、そこにシューレースを這わせてあるという華やかな作品。
細かな端切れをイレギュラーなハンドステッチでつないでいます。こちらはかなりパンクなルック。
成山明光さんの成山画廊でよく個展を開催している亀井徹さんの作品を写真プリントしたパンツと、プリント地をカットしてハンドステッチでアップリケしたトップスです。
その他にもダメージ風の織の生地によるスーツとか、所々ほつれた糸が垂れているストライプのスーツとか、凝った素材のアイテムが沢山。非常に見所の多いコレクションでした。以前のように、同じアイデアの繰り返しというのは無くなってきていて、バリエーションに富んでいたと思うのですが。
デザイナーのクリス・ヴァン・アッシュ。自身のブランドをクローズしてディオール・オムに専念したお陰で、内容がより一層密になっていると思うのは僕だけ?
今日のセレブ。英俳優のロバート・パティンソン(中央左)と、隣のサングラスのおじいさんはフォトグラファー&映画監督のラリー・クラーク。遠目だったので、最初ラリー・クラークはアンソニー・ホプキンスに見えたのですが、もっとダークな人でしたね(笑)。それにしてもこの二人の取り合わせはとても微妙です~。
次回も期待したいと思います~人気ブログランキングへ