一見すると得体の知れない深海生物のようですが、アール・ヌーヴォー時代のランプシェードです。パリ市内の古物市で購入。
素材は表面が真鍮。裏側は白っぽいので、おそらくホワイトメタルでしょう。一つ一つ打ち出しで作っているのではなく、型にはめ込んだ鋳造だとは思いますが、中々の細工です。
買った当初は、コバルトブルーのカボション(山形にカットされているペーストガラスやクリスタル)が1つだけ入っていて、あとの2つは抜け落ちていました。直径が2cm以上あるカボションは元々数が少なく、しかもコバルトとなると僕のビーズコレクションでは見当たらず。
ということで、そのコバルトのカボションを外して、僕の個人的な持ち物の中でも数が揃っているこちらのガラスを入れてみました。これが中々大変な代物なのです。
フランスではサフィリーヌ、日本やアメリカではサフィレットと呼ばれる、ブルーとブラウンの色を併せ持つガラス。特殊な技法で作られているようで、その製造法を知る者がいないため、永遠に失われたガラスといえます。錬金術師よろしく再現を試みた人がいましたが、「ただの紫色のガラスになっちゃった」と言っていました。
サフィレットコレクターのお客様いわく、このカボションはアンティークではなくヴィンテージだそう。第2次世界大戦後にアメリカ向けにドイツで製造されていたものだとのこと。でも実際に見てきたわけではないので、本当にそうなのかは誰も立証できない状態です。
とにかく、数年前まではコレクターが沢山いて、高額取引されていたもの。だからといって、こちらのランプシェードは高いわけではなく、他のランプと同じお値段で提供中。是非眺めにいらして下さい~。
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