アンダーカバーによる久々のショーは、ソルボンヌ大学の講堂内のホールで行われました。ショーの2時間くらい前に、ファッション通信のカメラクルーと一緒に会場へ行き、僕はそこから徒歩で部屋に戻りましたが、会場入り口でデザイナーの高橋盾と俳優の浅野忠信がタバコを吸ってて、「きゃっ、浅野くん~」なんて盛り上がった僕。
こちら隠し撮り。なぜかフェイスブック上で浅野忠信と「お友達ではありませんか?」というメッセージが何回も来ていて、あんまり他人な感じがしなくて不思議。もちろんお友達になってませんけどね。共通の友人が10人以上いたりします。どうしてだろう。
コレクションは、クラシカルなアイテムをストリート的に解釈し、毒気をプラスするアンダーカバーワールド全開。「可愛いな」と思うセットアップも、太いベルトに骨のモチーフがアップリケされていたり、ドクロのバッグが合わせられていたり。ああ~、ドクロは苦手です。美輪明宏がオーラの泉で、ドクロは部屋に飾ってはいけないと言っていましたが、僕もそう思います。
それはさておき、ランジェリースタイルを取り入れて、コケティッシュだったりエロティックな要素もプラスされていました。個人的には、猫のぬいぐるみのようなバッグに目が釘付け(笑)。
こちらはカフスや襟を造形的にあしらったドレス。いつも以上に凝った作品が多かったです。
内臓のような、綿を詰めたモチーフを集積したドレス。ちょっと気持ち悪い感じが出ていて、きれいなものを直球で投げかけない、アンダーカバーらしいアイテムだと思います。
最初のパートでは、モデルたちがランウェイを歩き、袖に戻るのかと思ったら、重ね着しているブルゾンやコートを脱いで、中に着ているドレスを見せながら再びランウェイを歩いていました。クチュールのショーのような構成。そう、今回はかなりクチュールを意識していたのかもしれません。
ショーが終わった後、ジャーナリストの平川武治さんとお話ししましたが、「色々なメタファーがあってよかった!」と仰ってました。僕からすると、ヨーロッパの服とは明らかに異質で、エキゾティズムを感じることもなく、すんなり受け入れられない部分が残りました。それは日本人のデザイナー全員に言えることではあるのですが。でもアンダーカバーの服はその中でも抜きん出ているかも。
きっとヨーロッパでは、日本の服=西洋服飾史の流れとは違う異国情緒ある服、と捉えてもらえるのかもしれませんが、いつまでその状態が続くのかなぁって思うんです。でも平川さんの意見を解釈するに、アンダーカバーはあえて日本の服であり続けるのだろうし、そういった立ち位置を崩さないのでしょう。ま、それはそれでいいのか、なんて思ったりもしたのでした~。
今からチャラヤン(誰それ?)~