このチャップリン人形が我が家に来たのは、数年前の6月くらいだったと思います。かなり暑かった記憶がありますので。引き取り場所はパリ郊外の古物市で、売っていたのはフランス人のマダム。値段は10フランくらいだったと思うのですが、よくおぼえていません。今思うとかなり安かったですね。
帽子とジャケットと蝶ネクタイがフェルト、髪が毛糸、後は全てコットン素材で、中綿は木目。目と口は、黒い布を切り抜いたものが貼られています。高さは34センチ。多分ステッキが付いていたのだと思いますが、買ったときはなくなっていました。頭の後ろには糸が付いていて引っ掛けられるようになっているので、寝室のドアに飾っています。
年代は良くわからないのですが、いわゆるチャップリンを想起させるこのコスチュームが登場したのは映画『ヴェニスにおけるベビー・カー競争』が発表された1914年なので、恐らくそれ以降。20年代くらいかもしれません。先日紹介した黒人のジャズメン人形も、やはり目と口が同じような素材で作られているので、もしかしたら同じ会社が同じ時代に作ったものなのかも。そうなると30年代?とにかく大戦前だと思います。
顔なんて本当に単純だし、そのほかも作りが物凄く素朴なのですが、大俳優の特徴を捉えているこの人形には様式美のようなものさえ感じさせ、人形を作っていた当時の人々の技巧の高さがうかがえます。今度ステッキを作って持たせてあげようかな。
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