僕が集めているロルダン社の人形シリーズの一つが、つい先日我が家に到着したので紹介します。
蚤の市仲間のYさんが、先日パリ郊外の蚤の市でこのカップル人形を見つけたと電話してきてくれました。単なる自慢話かと思ったら違って、50サンチームだったので僕にくれると言ってくれたのです。でも彼女は、男性の顔はロルダンだとわかるけど、女性の顔がちょっと違う、タグが付いていなくて本当にロルダンかどうかわからない、といいます。早速彼女の家へ出向き、見せてもらうことに。
確かに女性の顔はいわゆるロルダンのコミカルな顔ではなく、シャープな美人系。でも首に毛糸が巻かれているし、靴や帽子などのアクセサリー類がフェルト製だし、身体の凹凸のつくりがしっかりしていて、これは間違いなくロルダンだと判断しました。高さは15センチ。僕の持っているものの中では小さい方。
バルセロナの人形会社ロルダンについては未だに詳細がわからないのですが、僕が持っているものから見ると、このカップル人形はそれほど古くないでしょう。多分70年代くらい。女性が持っている花かごの中には、フェルトが刻まれてものが貼り付けられていますが、これが昔だったら、ちゃんと花形に切り抜かれたフェルトが入っていたと思うのです。顔のペイントもやや雑な感じがしますし、男性が持っているギターは、昔だったら木で精巧に作っていたと思うのですが、このギターはプラスチック製。こうやって手抜きをし始めているのがわかるので、ロルダン社はきっと今は存在していないのだと思います。かといってこの人形のことが気に入っていないわけではなく、大好きなんですけど。生き残っていくって本当に難しい、そんなことを彼等が教えてくれているかのようです。
ちょっぴり手抜きのカップルに一票