ジバンシィのオート・クチュールは前々シーズン以来で久々。発表の時間は夕方でしたが、午前中のファッション通信の映像を撮るタイミングで、便乗させて頂きました。
オートクチュールは、前回からショーではなく、プレゼンテーション形式にしています。相変わらず制限が厳しくて、僕なんて絶対に招待されませんが。
会場は前回に引き続き、ホテル・リッツの脇にある一軒家、オテル・デヴルー。ここはルイ14世時代の富豪の投資家、クロザ・レネのために建てられたお屋敷なんだそう。とにかく古いんです。
コレクションのテーマは、ずばり日本。でも帯とか着物にこだわるのではなく、デザイナーのリカルド・ティッシらしいモダンな視点が加わっています。いつもはゴシックスタイルにこだわりを見せる彼ですが、今回はそんな雰囲気は無かったかも。こちらはパープルのシフォンのドレス。
よく見ると、こんな風にパールを布でくるんで刺繡しているんですね。今回のコレクションも、作品によっては1、000時間かかるものもあったとか。発表体数を10点強に絞っている分、一点一点にかける時間が多くなり、手の込んだものばかりで、好き嫌いは別として、とっても見応えありました。僕なんて虫眼鏡を使ってジックリ見たかったくらい。
こちら、淡い色合いのドレスですが、リカルド・ティッシは常に我々をビックリさせてくれるクチュリエ。タダでは済ませません。
バックサイドはこんな風にオレンジの刺繡が施されていて、まるでガンダムのよう。なんて思ったら、やっぱり日本のロボットものの影響があったようです。
竹ビーズを立体的に使っていて、これって座ったら折れるじゃん。面白いけど、一般的な審美眼を超えてしまっていて厳しいかなぁって。今年のグラミー賞では、フローレンス&ザ・マシーンのフローレンス・ウェルチがこのドレスを着てレッドカーペットを歩きましたが、評判の程は・・・。
飛び切り新しい視点で作る服は、見る側にとっては目を楽しませてくれますが、リカルド・ティッシに限らず、今のファッションは一般の人たちにわかりにくい、モダンアートのような存在になってしまっているのが残念なところです。難解なものは売れない、でも少々不可解なものを作らないと評価されない。これって本当にジレンマ。以前、とある哲学者が「わかりにくいことを書かないと学界では評価されない」と言っていたことを思い出しました~。
それでも評価されて然るべきですが・・・
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