コム デ ギャルソンのショーは、ヴァンドーム広場近くの銀行のホールを使って行なわれました。テーマは『インサイド・デコレーション』。直訳すると内面装飾。女性の持つ内面の強さを表現しているそうです。
服の作りもコンセプチュアルで、装飾を貼り付けたりするのではなく、布と布の間に中綿を詰めて凹凸を作ったり、綿を詰めた状態の生地をつまみ出すようにして立体的にしたものなどがありました。この写真のドレスは後者。とにかく、内側から放たれる装飾を服として表現しているようでした。
友人には「微妙~」と言われましたが、僕が女性だったら、絶対にこのシリーズのどれかを着たいと思ったはず。特に美しいと思ったのがグレーのシリーズ。今回のコレクションでも、多くにメンズライクな生地を使用していますが、このグレーのシリーズは色のせいもあって、装飾の強さがわかりやすく出ているような気がしました。「僕が女性だったら」とか何とか言わずに、とにかくお金があったらこのジャケットの大きいサイズ欲しいです。
さて、その日は僕が大学時代に買ったコム デ ギャルソンのジャケットを着ていました。というのも、コム デ ギャルソン、ジュンヤ・ワタナベ・コム デ ギャルソン、タオ・コム デ ギャルソンと3つのショーがある、いわば「ギャルソン・デー」だったからです。
長い間着ていても、型崩れしない優れもののジャケット。パリに来てから、カール・ラガーフェルドのドキュメンタリーを見ていたら、全く同じものを着用していてちょっと嬉しくなりました。カール様がディオール・オムにご執心になる前は、ほとんどの服がギャルソンだった、という時代の話です。
で、ショーのあと、ゴルチエのショーへ行かなくてはいかず、ちょっと慌てていました。トラックの横を通ろうとしたら、開いていた後ろの扉にジャケットを引っ掛けてしまい、そのままかぎ裂きに。かなりショックでしたが、こういうこともあるさ、と諦めることにしました。繕って上からワッペンでも貼ろうかな。
とにかく、ギャルソンの服って流行を追っていないので、長く着ることができるんですよね。パリに来た次の年に買った2枚のシャツも、まだ着ていますし。全く飽きないというのも凄い! 川久保玲が、現代のココ・シャネルと言われているのも納得できます~。
プレスセールに行きたいなぁ~
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